ANGEL STRIKES BACK?

 
 

リプレイ5 南国で

  1. 22:27:41
 真っ青な空に浮かぶ白い雲。波の音。
 砂浜に寝ころぶ、痣だらけの乙女達。
 1ヶ月の及ぶ激戦のご褒美にと繰り出したバカンスは、むしろ慰安旅行の様相を呈していた。
 直前の練習中に、足首を痛めた秋山が出場できなかったのは残念だったけれど、「ラ=ピュセル」旗揚げ以来初めての、選手達の為の興業は、予想以上の好評価を得られた。
 芝田に「大丈夫ですの?」と心配されても、到底満員に出来ないだろう会場を選んだのも、選手達の成長を見たいと集まってくれるファン全員を会場に入れたかったからだ。
 今回ばかりは、楽しんで貰うプロレスではなく、自分たちの持てる力をフルに発揮して欲しい。だから開催地も、旗揚げシリーズと同じルートで、より大きな会場を選んである。
 興業成績は無視。公平に、サイコロを転がしてカードを組んだ。
 意外なことに、6割ちょっとを埋めた興行収入は、高めの会場使用料を差し引いても、過去最高の収益というのは、嬉しい誤算だ。
 今大会で、最も輝いたのはグリズリー山本だろう。
 緒戦、紫月の巧みな攻めで、立っているのもやっとな程に脚を痛めつけられた。とどめを刺しに来た小柄な躰を獲えると、ぶっこ抜くように持ち上げ、全体重を乗せてマットに叩き付けた。
 本邦初公開の豪快なパワーボムの凄まじさに、客席から悲鳴が上がった。
 一撃で息の根を止められた紫月は、その影響もあったのだろうか。今シリーズは精彩を欠いたまま、終えることとなった。
 秋山不在なら、TWWA勢の軽量級は問題にならない。勢いに乗ったグリのパワーボムは、何とTWWA勢のNo.2、シンディ・ウォンまで呑み込んでしまう。
 その勢いを押しとどめる為に、南ですら、芝田戦に温存するはずだった変形STF、ネオ・サザンクロスロックすら投入せざるを得なかった。
 肝心の芝田戦で、ようやく新技に獲えたはずの芝田が難なくロープを掴めたのは、単なる幸運などではない。
 旗揚げ以来、温存し続けてきた芝田vs南のカードを分けたのは、やはり経験差だろう。
 南が意地を見せたのは、最終日前日のアニー・ビーチ戦。
 ここまで、芝田と共に無敗で来たアニーを、南が止めた。
 芝田がアニーに勝てば、全勝優勝。でも、試合開始早々の流血がそれを許してはくれなかった。
 大量の出血に視界を妨げられ、死角からのシャイニング・ウィザードを決められて、リーグ戦の結果は1敗で同率。傷口の深さに棄権を勧めたけれど、優勝決定戦のリングに向かう芝田を止めることなんて、誰にも出来やしない。
 とりあえず止血はしたものの、フロントスープレックスで投げた際に傷口が敗れて、再びの大流血。色白とはいえ、血色がよいはずの芝田の頬がみるみる青ざめてゆく。
 朦朧とした意識で戦えるほど、アニーは甘い相手ではない。
 結局、第1回クイーンオブ「ラ=ピュセル」の優勝カップはアニー・ビーチの手に渡った。
 無理が祟って、芝田が二週間の入院を余儀なくされたのを始め、負傷者続出の激しい戦い。
 でも、そこで得られたものは、決して小さくはないはずだ。

 バカンスを終えて日本に戻った私たちを、改装なった合宿所と、完全復活の芝田が迎えてくれる。更に二名のキャパを増やした合宿所に、春には新たな顔を加わえる予定。

 2月、3月と、東北、中部を回った興業は、意外なほどの熱気で迎えられた。
 団体の知名度に自信のない地域だったので、1000人収容の会場を選んだところ、すべての会場で満員札止めを記録した。それほど、彼女らの戦いは支持を集め始めている。
 だからといって、すべてが順風満帆で進んでいるわけではなかった。

「問題は、紫月かなあ……」
「そうですわね。秋山達の身体が出来てきた分、あの子の非力さが目立ってしまいます」
 溜息混じりの私に、芝田も眉を顰める。
 紫月が、シングル戦で勝てない。
 器用さでは群を抜いているし、スピードもある。だから手数は負けていないのだけれど、その技の威力が足りない。同期の秋山にさえ大きく劣ってしまうのだ。
 ダメージを与えても、与えても、決定打とはならず、大技へと繋ぐことが出来ない。その間に、自分が受けるダメージばかりが積み重なっていくのでは、勝ちは望めないだろう。
「筋力アップを急務として、しばらくはカードをタッグに絞った方が良いでしょうね」
「本当はジムに残してトレーニングさせたいんだけれど、紫月の人気を思うとそれも出来ないから」
「紫月だけではありません。誰一人欠けても、うちの興業は成り立ちませんわ」
 確かにそう。
 南のクールな凄みも、秋山の元気いっぱいのファイトも、グリの圧倒的なパワーも、どれかひとつを欠くわけにもいかない。
 手持ちのカードは限られているけれど、その個性が支えてくれる。
 紫月をタッグに回す分、1開催の試合数を増やす意味でも、団体の未来を考える意味でも、来月からの新人獲得は大きな意味を持つ。
「まさか、また関節技の遣い手を獲ろうとは考えていませんわよね?」
「あと二年は獲りません。誤解だよ、芝田」
「フフッ。もちろんジョークです。それはさておき、社長の方針はいかがですの?」
「うーん。巡り合わせもあるとは思うけれど、必ず欲しいのは、グリと組んでヒールに回れる子かな。紫月がタッグに回る分、定番のタッグチームを相手に欲しいし」
「賛成ですわ。……二人だけでは手不足でしょうから、凶器攻撃も辞さないシンディを加えても面白いかしら。対外国人の構図から、アニーや、ミスティをベビーフェイス側に置いて、ヒール軍との抗争に変化させることも出来るでしょう」
「うん。特にミスティは子供に人気だし。試合後のサイン会の時に『ファイナル・ギミーック!』って、ミスティの真似して叫んでいる子、多いもん」
 思い出したのか、クスクスと笑う。
 私としては、もうひとつ。ここのところ芝田自身の伸びが止まってしまっているのが気がかりだ。単にレスラーとしてではなく、新人同然の若手の指導をしたり、こうして団体の将来についての相談まで受けてくれている。
 やはり負担になっているにのだろうか。
 でも、そんな事を口に出したら、きっと優美な眉を吊り上げて烈火のごとく怒り出すに決まってる。
 だから、言わない。

 待ちに待った4月。
 新入団テストを行ったところ、お眼鏡にかなった選手は一人だけ。富沢レイの素質も、ルックスも水準を超えていたけれど、余程に縁があるのか、また関節技の遣い手だ。
 採用したら、きっと芝田に怒られる。申し訳ないけれど、見送らざるを得ない。
 そんな事もあって、スカウトから「東北で逸材を発見した」との報告を受けた時、真っ先に私の口をついた言葉は、情けないことに「関節技の人じゃないよね?」だった。
 凛とした眼差しで頷いてくれた時、私はスカウト達への指示を変えた。
「残り一人は、必ずヒール役の務まる子を捜しなさい」と。
 彼女、草薙みことは間違いなく、天性のベビー・フェイスなのだから。

 
 
 
 

リプレイ4 救世主

  1. 22:26:41
 ネットの噂は姦しい。
 斉藤引き抜きの件で、私たちに代わって憤慨してくれた声も、10月の九州シリーズと、それに先駆ける沖縄公演の発表の後は「謎のX」探しに翻る。
 なにしろ沖縄公演のメインカードは、アニー・ビーチ&マスクド・ミスティ組対芝田美紀&Xとし、Xは「ラ=ピュセル」に新たに所属する選手と発表したのだ。Xが誰かを予想するのもファンの楽しみになる。
 的を射た意見も多くて、
「芝田を中心にまとまっている、現状を崩さないのがベスト。だから、芝田より年下のレスラー」
 うん、まさしく私の基本線だ。
 斉藤に代わって南の好敵手となるフリー選手。最近の流れでは、プロレスマスコミまで含めて、九州を根城に活躍するフリー選手、フレイア鏡が本命らしい。
 関節技の遣い手とあって、否定的な意見もあるけれど「あそこの社長は関節技フェチだから」と決めつけるのはやめて欲しい。それは、ただの偶然だ。

「会場の入りはいかがですの?」
 ソファのクッションにゆったりと身を沈めながら、芝田が首を傾げる。
「X効果もあって、超満員。これは札止めまで行くかも知れない。記者の数も、いつもの三倍くらいかなあ」
「他所の団体は、ツアーの谷間の時期ですもの。小細工好きなどこかの社長さんの思惑通り、取材に来やすい時期ですわよね」
「まあ、ね。私はそろそろ会場入りするけれど、芝田達は南の試合が終わってから、ゆっくり降りてきて」
「はいはい。出来るだけ、のんびりと、焦らせばよろしいのでしょ」
 肩を竦めて、ニッコリと微笑む。
「よろしくね」
 私たちの救世主となるかも知れない存在に、一声かけてからドアをでる。今はガチガチに緊張していても、リングに上がれば、いつもの彼女に戻るだろう。
 会場入りすると、たちまち記者に取り囲まれた。
「フレイアの調子はどうですか?」
「フレイア鏡? 調子が良いなら、今度の九州シリーズに単発参戦して貰おうかな」
 カマをかけた質問には、とぼけるのが一番だ。どうせ向こうも確証はない。
「東京で何度も会ってたでしょう。それに、鏡が沖縄入りしていることは事実だし、昨日から急に消息不明というのも怪しいなあ」
「遊び飽きたんじゃないの。気まぐれな娘だし」
 今回の騒動で世間の注目を集めたのは、うちの団体だけじゃない。フレイア鏡というフリーのレスラーも、その一人だ。したたかな彼女は、その騒ぎを利用して勝手気ままに記者達を振り回している。
 東京で何度も逢ったのは事実だが、お騒がせしてごめんなさいと食事を奢ったのと、ついでにJWIへのスポット参戦の橋渡しをしただけのこと。
 それを恩に感じてくれて、試合展開さながらの駆け引きで煙幕を張り続けてくれている。
 いつか一緒に仕事できれば良いと思うけど。
「斉藤の件から二週間。フレイア以外と接触する時間があったとは思えませんがねえ」
「すぐに解りますよ」
 記者をかき分けるようにして、まだジャージ姿の秋山が耳打ちしてくれた。何があったのかと興味津々の記者達に、私は芝田の真似して微笑んでみせる。
「おかげさまで、超満員札止めです」

 会場の熱気は、いつもとまるで違った。
 妙にヒートアップした観客に乗せられ、紫月も秋山も好ファイトを展開してくれた。あの事件がなければ、こんな弱小の女子団体を取材しないだろう記者の目が、次第に真剣になっていくのが嬉しい。
 やはり事件ではなく、試合で評価されたいからね。
 シンディー・ウォンの打撃に苦しみながらも、アキレス腱固めに斬って取った南が、珍しく星空に拳を突き上げる。
 芝田が控えているホテルのスィートの灯りが消えた。
 さて、いよいよだ。
 興をそぐように鳴った携帯電話に、記者達は何事かと耳を欹てる。
 いきなりオホホと高笑いをしてからでないと、電話の主は用件を言えないらしい。
「そろそろですわよね。あの子の出番は」
「うん。これからメインイベント。こっちからかけ直そうか?」
「構いませんわ。そのまま聞かせて、あの子のセンセーショナルな登場を」
「でも、電話料金が……」
「たかが電話代くらいで、動じるような市ヶ谷ではありません」
 きっぱりと言い切って、また高笑い。……最近、この手の人とのつき合いが増えている気がする。
 それほど人を増やせないため、リングアナを押し付けられいる秘書の井上霧子が、メインイベントのコールを始めた。
 まずはアニーと、ミスティの入場だ。
 会場のそこかしこにパソコンを開いたファンがいる。テレビ中継などあるわけがない弱小団体の新メンバー登場の第一報を、ネットの掲示板に書き込むつもりでいるのだろう。
 続いて、いつもは一番最後に登場する芝田がリングへ。
 霧子が小声で何か話しかけ、知らん顔の芝田に顔を顰めた。
 誰が出てくるのかを知っているのは、当の本人と、私と芝田、そして彼女が所属していた団体の社長兼トップレスラー、ビューティー市ヶ谷こと、市ヶ谷麗華の4人だけだ。
 仕方無しのコールが響き、今日の主役の登場を促す。
「続きましては、芝田美紀選手のパートナーの入場です!」
 会場が固唾を呑む瞬間だ。性格の悪い私は、5秒焦らすように指示してある。
 入場口を、ドライアイスのスモークが覆い隠す。気の早いファンは、もうフレイアコールを始めていた。
 そこに、大地を揺るがす重低音が轟いた。
 フレイアのテーマではない。
 真っ先に気づいた記者から、驚きの声が上がった。
「グリズリー山本かよ!」
 スモークを払い除けるようにして、巨体が現れた。
 虎柄をあしらったコスチューム、カブキの隈取りにも似た派手なフェイスペイント。次代を担う大型ヒールの呼び声が高いグリズリーの咆吼が、沖縄の夜空に響いた。

 芝田美紀を、新団体の軸に据えたのは大正解。
 大好評の九州大会を終えて、改めてそれを実感した。私の考えでは、本当にフレイア鏡を獲るつもりでいたのだ。芝田と南の間に入って、刺激を与えてくれる存在と。
 でも、芝田の考えはまるで違った。
「南のことは考えなくても良いでしょう。シンディーもいれば、アニーも、わたくしもおります。あと1年くらいなら、あの子は相手に不自由しません。……それよりも、秋山と紫月が問題。南は真っ直ぐ前を向いて成長し続けて欲しいですし、あの二人に対する壁役まで任せるのは酷ですわ」
「でも、そんなに都合の良い選手が……」
「一人だけ、心当たりがございます。……芝田の家の者が、よりにも寄って市ヶ谷の娘に借りを作るのは癪ですが」
 お解りでしょう? と、艶やかに微笑む。
 なるほど、彼女か。
 旗揚げ直前に、プロレスラーになりたいとテストを受けに来た少女。その時にはもう、秋山と紫月の採用を決めていたし、設備等の関係で採用することは出来なかった。
 でも、その素質が惜しくてWARSや太平洋女子、そして、市ヶ谷率いるJWIへと打診したところ、JWIが二つ返事で受け入れてくれたのだ。
 その巨体に似合わぬ内気を心配していたのだが、まさかのヒール、グリズリー山本としてデビューさせた市ヶ谷の手腕に、芝田共々舌を巻いたっけ。
 でも……。
「直接、市ヶ谷と彼女とお話しなさい。今回の新女のやり口には、市ヶ谷も憤慨してますし……。そのつもりでお誘したから、まもなくここへ参ります」
 話がまとまるまで、10分とかからなかった。
 大型レスラーが揃っているJWIでは目立たなかった巨躯も、小型選手ばかりの「ラ=ピュセル」でなら、その存在が際立つ。デビュー戦で、アニー・ビーチの流星のようなミサイルキックを片手で払い落とした彼女は、瞬く間に自分の居場所を作り上げていった。
 あの話し合いから、まだ1ヶ月しか経っていない。
 同じ応接間で、こんなにウキウキした気持ちでいられるのだから不思議だ。
 今年最後のシリーズで、全選手総当たりのリーグ戦「クイーン オブ 『ラ=ピュセル』」を開催する。
 それが出来る時期だと思うし、かなり手を加えた11月シリーズのマッチメイクについても、一緒に意見を聞いてみたかった。
「どうかなあ?」
 プリントアウトに目を通していたお嬢様は、軽く眉を顰めてひとこと。
「……英語とフランス語が混在してますわね」
「それは団体名の問題だから……。一応、カギ括弧で囲ってみた。全部フランス語だと解りづらいし、こういうのは解りやすいのが一番」
「ジョークです。……そろそろ時期だと思いますし、よろしいんじゃありません。新女からEXタッグシリーズへのインビテーションが来る前に、発表してしまいましょう」
 穏やかに見えて、腑はまだ煮えくりかえっているのだろう。全団体から各2名を招待して、総当たりのタッグリーグ戦を開く新女の恒例大会なんて、やっぱり参加するつもりはないらしい。
「それよりも、来月のマッチメイクが気になりますわね」
「グリが加わってくれたから、幅が広がった分、色々試せるようになったのが嬉しい」
「紫月を第1試合から外して大丈夫ですの?」
 芝田は、少し心配そうだ。
 12月のリーグ戦はピリピリしたムードになることが解っているから、その前のシリーズはアット・ホームな雰囲気にしたかった。別名「芝田美紀凱旋シリーズ」と言ってるくらい、彼女の地元大阪を中心に日程を組んである。
 マッチメークの最大の特徴は、紫月を第1試合から外したこと。
「紫月と逆の意味で、グリの存在感は使えると思うの。ミスティーはもちろん、秋山だってグリと並んだら、紫月みたいな印象よ」
 グリというのは、グリズリー山本の愛称。山本という姓では平凡すぎるし、グリズリーと呼ぶのは、普段の内気な彼女に似合わない。いつの間にか定着したグリという名の発案者を探ってみると、やっぱり秋山だった。
「まあ、確かにそうですけれど……。その紫月は、南もしくはわたくしのタッグ中心で、全戦メインか順メイン。大抜擢ですわね」
「頑張ってくれたご褒美も兼ねて。第1試合は、客席の心を掴む大事なポジションだと思うのだけれど、どうしても日本だと、前座扱いされて扱いが低いでしょ。実力は秋山と大差ないのに、紫月は低く見られすぎてるもん。そうでなくても、アイドル扱いで蔑視されてるのに」
「はいはい。小細工のお好きなマッチメーカーさんは、ついでに南の人気も煽ろうとしているのでしょうね。可憐な紫月姫を救出するナイト役として」
「うん。別名スーパーマリオ計画」
 さすがに解っていらっしゃる。
 コロコロと笑っていたかと思うと、急に真顔になってペンを取る。
「その計画は、全面的に支援いたします。でも、代わりに秋山を第1試合に固定するのはいかがでしょう。本人はともかく、ファンが格下げのように感じませんこと?」
「それはあるかも。特にライバルの紫月を贔屓目に組んでいるから、余計に。それなら、時々ミスティーと入れ替えて……」

 斉藤の件は哀しくて、悔しかったけれど、替わりにグリが来てくれた。
 悲しみも、バネに出来るなら、より高く飛び上がれるものだ。思いの外、広がったマッチメークの幅に、観客の声援が応えてくれる。
 いつもの試合後のサイン会。
 サインを待つ列の客層は、だいたい決まって来るものだ。でも、今シリーズはちょっと違った。南のサインを待つプロレスマニアの列の中に、チラホラ子供達の姿がある。
「強いおねーちゃん」
 と言われて眼を細める南に、マッチメークに間違いはなかったと胸を撫で下ろした。

 
 
 
 

リプレイ3 衝撃

  1. 22:25:38
「最低ね……」
 南の呟きが、澱んだ空気に波紋を起こす。
 それはおそらく、自分自身に向けて吐き捨てた言葉だろう。でも、車内の誰もが自分のことと、感じたに違いない。
 エース芝田を欠いた8月の巡業も、残すは最終戦の埼玉大会だけ。経費節減の為に屋内会場を避けている分、少しでも選手達の負担にならぬようにと、ずっと東北を回ってきた。久しぶりに東京の合宿所に戻れるというのに、ムードメーカーの秋山の顔からも笑顔が消えている。
 最低ラインの500人収容の会場を選んだとはいえ、7開催中『満員御礼』の札を出せなかったのは2開催のみ。しかも、宮城と岩手の会場では、空席を数えても片手で足りるほどの超満員を記録できた。
 興業面では、予想以上の成果と言っても良いはず。
 でも、その内容は決して褒められたものじゃなかった。
 アニー達、TWWA勢をメインに興業を組む手もあったけれど、大切なのは現在ではなく未来だ。集客ロスを覚悟で、いつものように外国人を迎え撃つカードを並べた。
 その結果、まさかひとつの勝ち星も挙げられないとは思わなかった。
 芝田に代わって、何とかみんなを引っ張ろうと頑張っていた南だが、レスラーとしての評価は高くても、やはり経験不足は否めない。斉藤は、まだ自分のファイトスタイルを適応させることで手一杯だし、すっかり芝田に頼っていた秋山と紫月の動揺は激しく、当たり前のように出来ていた動きさえ取れなくなっている状態では勝てるわけもない。
 どうして良いのか解らないのは、私だって同じ。
 レスラーの領域には、踏み込むことは出来ないのだから。
 縋るように携帯電話を鳴らしても、気取り屋のお嬢様は電源を切ったまま、リダイヤルすらしてくれない。きっと、まだご立腹なのだろう。今夜東京に戻るにしても、埼玉大会まで3日ある。何とか芝田を捕まえて、みんなを叱って貰わなきゃ。その為になら、この情けない頭くらい、いくらでも下げるから。

「あれ? ジムに灯りがついてる……」
 移動バス代わりの中古の窮屈なワゴン車から降りた秋山が、縮こまった腰を伸ばしながら素っ頓狂な声を上げた。紫月と顔を見合わせると、車からバッグを降ろすのも忘れて走り出す。仕事をほったらかしにした罰は、後にしよう。こんな時間にジムに顔を出す奴なんて、他にいるものか。
 もどかしくドアを開けた二人を、ピシャリと甲高いソプラノが叱りつけた。
「秋山、ミスティのブレンバスターを受けた後は、すぐに立ってはいけないと教えたはずですわよね。相手の決め技には、敬意を持ちなさい。紫月も……攻めるときには躊躇っては駄目だと、一番最初に注意されたはずです。タイミングがずれると、受けてくれる相手が怪我をしてしまうと」
「はいっ。すみませんっ」
 思わず、直立不動になった二人が声を合わせる。
 覗いてみると、サマードレスをお召しになったお嬢様が、優雅にお茶していらっしゃる。私の後ろに、残りの二人を見つけた芝田は、続けて声を張り上げた。
 テーブル代わりの机の上に置かれた小さなテレビに映るのは、一昨日の盛岡の興業の様子だ。
 それは良いのだけれど、私にはジムの中から漂う冷気の方が気になってしまう。
「で、社長。最終の埼玉のカードは、当日発表ですってね。わたくしの出番は御座いますの?」
「ごめん。あれは、そういう含みを持たせただけ。今回唯一の1000人クラスの会場だし、集客に自信がなかったから、姑息な手段を……」
「そんな事だろうと思いましたわ。でも、試合はともかく、会場入りくらいはさせていただけるんでしょうね? わたくしの美しさを期待して下さるファンを失望させたくありませんもの」
「それは、もちろんお願い。……でも、芝田。ちょっと気になるんだけど」
「ジムにクーラーを寄贈させていただきましたわ。ここで待っているだけで、汗をかいてしまいますもの」
 何も、ここで待たなくても良いと思う。
「ありがとう。でも、本体はともかく、電気代が……」
「わたくしが復帰すれば、電気代程度で困ることは御座いません」
 言い切ったよ、この人。でも、今の私たちに必要なのは、この強気だ。
「それに、宿舎には扇風機も御座いませんし、涼みたければ嫌でもジムに顔を出すことになりますわ。まさか、ジムに来て練習をしないなんて言う人は、いらっしゃいませんでしょう」
 目の前に一人、お茶している人がいるけれど。……まあ言わずにおこう。
 一通りの挨拶が済んだら、早々に私は退散しよう。
 羽目を外すも良し、真剣な反省会をするも良し。あとは芝田にお任せだ。
 久しぶりに、みんなに笑顔が戻ってる。
 これなら、シリーズ全敗なんて無惨な、きっと記録は阻止してくれるだろう。

 期待と不安の埼玉会場は、ミステリーカードの効果もあってか8割を超える客の入り。かろうじて「満員御礼」と発表できる。
 開始早々の芝田のテーマで、一気に客席が沸いた。
 なぜか私服のワンピース姿で、欠場のご挨拶。会場から溜息が漏れたけれど、それだけで終わらせるタマじゃない。勝手に「若手達の査定試合」と発表して、審査委員長に名乗りを上げた。
「本当に査定するつもり?」
 本部席の私の隣りに、ふわりと腰を下ろした芝田に聞いてみる。当の本人は、澄ました顔で、こう宣った。
「少なくとも、秋山のスナック菓子禁止の罰は実行したいですわね」
 ……秋山も可哀想に。
 いつも通りの曲が、試合の始まりを告げる。
 ファンの溜息を誘いながら、紫月の登場だ。いつもはゆっくり歩いてくる彼女も、今日は小走りでリングに駆け上がった。そして、緊張の面持ちで入場口を睨みつける。
 軽快なラテンのリズムに驚いたのは、観客ばかりではない。対戦相手はマスクド・ミスティ。いつもなら第2試合に登場するルチャドール(南米スタイルのレスラー)だ。
 ミステリーカードとしたところで、選手層も薄く、力の差がはっきりしているメンバーでは、それほどのカード変更など出来るものではない。「アリーナのある埼玉なら、プロレスを見慣れているはず」との芝田の主張で、この順番だけを入れ替えてみた。
 第1試合担当の紫月と、第2試合が多いミスティ。
 今シリーズは何度かタッグで闘ったけれど、シングルでの試合の組み立て方を互いに良く知らない同士の対戦となる。
「心配はいりませんわ。ほら、紫月がいつものきょとんとした顔に戻ってます」
 あはは。本当だ。
 芝田のいない不安も、連敗のプレッシャーもない。良く解らない対戦相手と、いきなりリングに立たされてしまえば、いかに考え込むタイプの紫月でも開き直るしかないのだろう。あの不思議そうな表情が、彼女の平常心だ。
 その通り、試合は盛り上がった。
 惜しくも、今シリーズの連敗記録を伸ばしてしまったが、盛大な拍手が彼女の戦いぶりを讃えてくれている。入場口の向こうに、紫月とハイタッチを交わす水色のウエスタンルックがチラリと見えた。
 自分で出番は承知しているのだろう。
 テーマ曲がかかるより早く、秋山が飛び出してきた。

 結局、秋山、斉藤と連敗を止められなかったものの、南が新技のストレッチプラムで格上のアニー・ビーチを仕留め、最後の最後でようやく白星を挙げてくれた。
 不名誉な記録も止まったし、誰も怪我をせずに乗り切った。
 手応えは充分にある。考えていたことを芝田に相談してみると、彼女も艶やかな笑みを浮かべて賛成してくれた。
 9月シリーズは、1000人規模の会場をサーキットしてみようと。
 でも、「ラ=ピュセル」最大の危機は、遠征直前に発生した。

『斉藤彰子、退団! 新日本女子へ電撃移籍』
 急遽、お詫びを上貼りしたポスターがファンの不興を買ってしまったのか。9月シリーズは8興業中、満員と発表できたのは僅かに1回。6割程度しか埋まらぬ客席を、誰もが唖然と見つめていた。

 
 
 
 

リプレイ2 旗揚げ

  1. 22:24:40
膝蹴りを繰り出そうとした芝田から、慌ててアニー・ビーチが飛び退いた。
コミカルなオーバーアクションに、満員札止めの大観衆からどっと笑いが起こる。
格闘技ファンに眉を顰められそうな光景だが、これはプロレスラーには欠かせない技術でもある。
老舗の新女ならともかく、ようやく旗揚げして3ヶ月の女子プロ団体のレスラーの知名度なんて、悔しいが高が知れている。それに、会場に集まってくれた観客だって、全員が全員「ラ=ピュセル」の試合を楽しみに来てくれたわけではない。
地元のプロモーターや商店会経由で貰った招待券に「せっかくだから」と足を運んだ人もいれば、子供にせがまれてきた家族連れ、お祭り見物の気分出来た人、中には水着同然のコスチュームを着た女の子を眺めに来た客だっているだろう。
それでも、解ったはずだ。
芝田美紀という名は知らなくとも、リングの中央で艶やかに立つレスラーの最強の武器が膝蹴りであることを。
必殺の膝蹴りに観客の意識を集め、それが繰り出される瞬間、つまり試合のクライマックスに向けて、感情を煽ってゆく。
アニーの武器がスピードであることは、もう示してある。
実力の伯仲した両者によるメインイベントは、今、本当のゴングが鳴ったところだ。

すでに実績充分の芝田やアニーだからこそ、当たり前のようにこなす芸当だが、同じ事をデビュー3ヶ月の他のメンバーに望むのは無理がある。
そこは、社長兼マッチメーカーの私の腕の見せ所。
技術がないなら、試合構成で演出してやれば良い。幸い、うちの団体には氷室紫月という得難い人材がいてくれる。
プロレスなど初めて見るような人だって、あの可憐な少女が真っ先にリングに立てば、驚くだろう。しかも、対戦相手はいかにも腕力のありそうな外人レスラーなのだから。
どちらに声援が集中するかは、言うまでもない。
闘う選手を応援し、試合展開が動く度にドキドキハラハラ出来るのが、プロレスばかりでなく、スポーツ観戦の醍醐味。
彼女はリングに立つだけで、判官贔屓な観客の心を掴んでしまう。
人気でならエースの芝田に迫らんばかりなのは、こちらの計算通り。
嬉しい誤算は、その成長ぶりだ。
演出のためとはいえ、酷ながらかなり格上のソフィア・リチャーズとのシングルマッチを中心に組まざるを得なかった。
しかしながら、旗揚げシリーズでは10分も持たなかった相手に、先月のシリーズでは必死に食い下がるようになり、アキレス腱固めという武器を得た今シリーズでは、とうとうギブアップ勝ちを奪うほどの成長を見せてくれた。
更に、今日はドロップキックを決めて連勝と、すっかり自信をつけた様子。
さすがに、もう「ちゃん」付けで呼ぶのは失礼だろう。
紫月の成長を目の当たりにして、同期の秋山も負けてはいない。
タッグマッチを組むことが多かったが、それゆえ対戦できるブリジット・ウォンなどのメインイベント級のレスラーに果敢に挑み、一歩も引かずに頑張っている。
一撃必殺を旨とする空手家にとって、軽快に飛び回るルチャ系のレスラーはエイリアンに等しいのか、不器用な斉藤が対応に苦慮しているのは気がかりだが、関節技だけでは動きを読まれると、裏投げの練習を始めた南同様、何らかの答えを見つけてくれるだろう。

リングを見つめる観客からは、もう笑いが漏れることはない。
旗揚げ戦から、もう何度も闘っている相手同士。元より実力の伯仲している二人だけに、また今日も白熱した試合を展開してくれている。
芝田の顔面をフェイスクラッシャーでマットに叩き付けたアニーも、すぐに片エビ固めに獲えられ、苦痛の悲鳴をあげた。
もうどちらを応援しているわけでもなく、その一挙一動に大きな声援がおこる。
初めての名古屋興業だったが、どうやら大成功で終われそう。
と、気を抜いたのがいけなかったのか?
ロープ際でアニーのドロップキックを受けた芝田がバランスを崩し、二人とも縺れるようにしてリングの外へ落ちてしまった。
アニーはすぐに立ち上がったが、芝田が肩を押さえて蹲る。
客席のざわめきに立ち上がった芝田は、アニーの喉元に右肘を打ち込んだ。
会場は安堵して、再び声援が巻き起こる。だが、芝田の構えがぎこちない。
気づいたアニーが、慌ててこちらを振り向いた。
つまりは、それほどの怪我を負っているということだ。
私が頷くと、芝田に組み付き、客席に気づかれないように耳元に囁く。
ボディスラムで場外に叩き付けると、素早くリングに戻ったアニーは会場にアピールして目を惹いた。そして、顔を顰めながらリングに戻る芝田の膝に、飛び乗るようにして膝蹴りをくらわす。
シャイニング・ウィザードの大技でダメージを与え、再びボディスラムでリング中央に、芝田を倒し、自分はコーナーポストに飛び乗った。
軽やかに宙に舞い、芝田の上に落下する。
決め技のムーンサルト・プレス。
はねつけようという素振りを見せた芝田だが、大技2発のダメージは大きく、そのまま3カウントを聞かざるを得なかった。
……観客には、そう見えたことだろう。
この弱小団体に、専任のリングドクターなどいない。
リングに走る私の横を、艶やかな黒髪が追い越してゆく。
やはり気づいていたのだろう、氷の入ったバケツを下げて、紫月が芝田の元へと走る。リングサイドにいた秋山も、不安な顔で左肩を庇う芝田に駆け寄ったところだった。

「大丈夫ですわ、このくらい。なんでもありません」
いつものように気丈に胸を張る芝田だが、タクシーでかつぎ込んだ病院での診断は、左肩の脱臼。全治三週間というものだった。
故障を庇いながらも、試合をすることは可能。
医師の言葉も、私の判断を迷わせる。
「来月は8月。夏休み興業の稼ぎ時に、これくらいの怪我で休んでいては、エースなんて名乗れませんわ」
「うーん。……でもね、芝田。出来れば、休んで欲しいかな」
 私の言葉に、優美な眉が吊り上がる。
「私は、不要。……そう仰りたいのですか」
「違う。もちろんいてくれないと困る。でも、エースのあなたが休まなければ、もっと怪我をし易い新人の子達が弱音を吐けなくなるでしょ。それに、レスラーは躰が資本なのだから、些細なうちに怪我を治さないと、悪化したら元も子もなくなっちゃうから」
「それはそうですが……」
「夏休みに芝田がいないのは困る。でも、一ヶ月休めば完治するなら、ちゃんと完治させてから復帰して欲しい。いくら小さな団体でも、一ヶ月くらいはエース不在でもやっていける。それが二ヶ月、三ヶ月になったら無理。……だから、一ヶ月。それだけの時間を上げるから、きちんと身体を治して」
「お断りします。エースとしてうちの団体を引っ張って欲しいと、わたくしに依頼したのは社長。あなたのはずです」
「……エースだったら、こんな大事なときに怪我をしないでよ」
 言いたくもない言葉だけれど、言わなきゃいけない。
 半分は、私の本音だから。
 唇を震わせて、プイと芝田が顔を背ける。
「しばらく……考えさせてください……」
 それ以上かけて上げられる言葉はないから、私は無言でドアを閉めた。
 何と言ってきても、来月の興業に芝田を出してはいけない。でも、それで観客動員をキープできるのだろうか。
「ラ=ピュセル」は、最初の夏をエース不在で乗り切らねばならない。

 
 
 
 

リプレイ1 始まり

  1. 22:23:07
団体名はフランス語で「ラ=ピュセル」。
”乙女”と訳すと凛々しさに欠ける気がするけれど、フランスで”乙女”と言えばジャンヌ・ダルクに決まっている。
ドーム興行を夢見て、選手ゼロで旗揚げする団体にはピッタリじゃないかと自画自賛w

全員新人でスタートする手もあるけれど、やはり団体の柱は欲しいよね。
旧作でお馴染みの新日本女子、IWJ、WARS、太平洋女子という(そう設定しました)既存団体から選手を引き抜いて、喧嘩を売りつつの船出は、諍いを好まぬオーナーの趣旨ではありません。
フリーの選手に打診したところ、お上品な関西のお嬢様、芝田美紀が引き受けてくれました。
おっとりとした物腰に似合わず、必殺の膝を武器とする打撃系のレスラー。
うんうん、イメージだよねぇ。
団体の船出は幸運の女神にも愛されているらしい。
最大AP(ゲーム内のお金のようなものの単位ね)をつぎ込んで開催した新人テストのメンバー中に、なんと南利美の名前が!
シリーズ屈指の関節技の名手を逃す手はありません。迷わず契約。
もう一人の新人、新登場の保科優希は同じ関節技が武器とあって不採用。
ごめんね……選手数の少ない序盤は、なるべくバリエーションを増やしたいの。
南を獲得したなら、因縁の好敵手を獲らねばとスカウトを走らせてしまうのが旧作からのファンの性。
旧シリーズで新女に殴り込み、南と名勝負を繰り広げた空手ウーマン、斉藤彰子もやっぱりいてくれた。
契約の依頼に、即答でOK。そう来なくっちゃ。
3人ではまだ興行ができないので、今月はトレーニング&サイン会で知名度を上げておくとしましょう。
「私の美しさの前に跪きなさい」って、芝田……せっかく集まってくれたファンに、何てことをw
身体ができていない新人は怪我が多いので、後二人ほど選手を獲っておきたいところです。
翌月、再度の新人テストで、懲りずに来た保科を再び見送って、秋山美姫を採用。
ストイックなタイプが揃っているだけに、水色のウェスタンルックの元気娘は良いアクセントになってくれるはず。
先月は旧作つながりの新人2人を獲ったので、残りは新登場キャラにしたいかな。
だから、スカウトも馴染みの薄い北陸地方に派遣しよう。
見つけてきたのは、氷室紫月……うん、新登場の子だ。
クールな名前からして、将来の悪役の親玉を期待できそう。
などと考えながら本人と会って、唖然……。

か……可憐だ……。

名前に反してなのか、名前通りなのか、大和撫子タイプの美少女だったとは……。
この娘なら、男性ファンのハートをむんずと鷲掴みにしてくれるに違いない。
即採用!
準備はOKと、飛び技主体の海外団体TWWAと提携を結んで、旗揚げ興行の開催を決意しました。
飛び技主体だと軽量型の選手が多いから、新人ばかりの団体でも相手になるはずだよね。
今月の旗揚げを発表し、緊張感が増すジムに顔を出す。
コーチ任せにしていた練習メニューのチェックと、マッチメークの参考にデータを確認しておかないと。
すでに一線級の力を持つ芝田は、より個性を磨かせよう。
16歳コンビの南と斉藤には、頼りない必殺技を変えるべく新技の習得が急務かも。
15歳コンビの秋山&紫月ちゃんは……そういえば、全然データを見ずに採用しちゃったなw
えっと、得意な技は……って、二人とも関節技?!
芝田と斉藤が打撃技で、南と秋山と紫月ちゃんが関節技って、どこの格闘技団体だ……。
紫月ちゃんはともかく、秋山はてっきり投げ技かパワー技の人だと思いこんでいたよ(^^ゞ
それを理由に、二度もテストで不採用にしちゃった保科に何といって詫びようか……。
でも、「獲っちゃったものは仕方がない」と開き直るしかないw
体力不足の二人は、まずは基礎訓練からね。

1000人規模の有明の会場で迎えた旗揚げ戦は、嬉しいことに満員御礼。
芝田以外は勝てなかったけれど、みんな懸命に頑張ってる。
500人規模の地方会場も回ったけれど、どこでも暖かく一杯の観客が集まってくれた。
エースの芝田とタッグを組ませて、何とかみんなに初勝利をプレゼントできたのが嬉しいぞ。
きっと歓んでくれたと思う。
でも、紫月ちゃんと秋山にも決め技を教えないとまずいな。
せっかくのチャンスがあっても、一つくらい大技を持っていないとダメージを与えられない。
試合で涙を流す姿は見たくないもん。ちゃんと鍛えてやらねば、と反省。

旗揚げシリーズを終え、紫月ちゃんにアキレス腱固めを、秋山にストレッチプラムを練習させる。
今月の興行には間に合わないけれど、今後のために。
この子達のレスラー人生は、まだ始まったばかりなのだから……

 
 
 
 

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